高坂頼子
乙川優三郎作 「花の顔」を読む。
今日、5月25日の金曜日に鶴見区区民センター サルビアホールの3階音楽ホールで例年の朗読会がありました。私の手落ちでカメラは持っていったのにメモリカードを忘れて、携帯を使ったのであまりいい写真は撮れませんでした。素敵な白の大島の着物だったと思うのですが、お見せできなくて残念です。柄は麻の葉のようなデザインでした。
「花の顔」は聞くたびに、ああ江戸時代に生まれないで良かったと思います。お姑さんのいびりなんて私は耐えられません。中身は封建的ですが、物語の発展が階段を上るようにタッタッタッと良くできていて、聞き手を魅了します。高坂さんの間のとり方は絶妙でした。切れがよく落ち着いています。考えさせてくれる間を下さいました。
携帯で撮るのは音がするのでまずかったのですが、ドサクサにまぎれてかろうじてこの写真を撮りました。左の二人は津軽三味線を弾きました。やっぱり三味線はいいですね。真ん中の方は勝田信子さんで太宰治作「貧の意地」を朗読なさいました。かなりの大作です。
右端は植野静子さんで、この例会のレギュラーメンバーです。彼女も大作に挑みました。浅田次郎の「角筈にて」です。
「角筈にて」を聞いていてこんなこと思いました。どんな親だって子供と別れなければならないのは、人には言えないつらさがあります。日本ではすぐ「親が子供を捨てる」という言葉づかいをします。捨てるなんて猫や犬じゃあるまいしあまりにネガティブだと思います。もうそういうジメジメした、人をおとしめるような言葉を使わないで、親が子供をあきらめなければならなかった辛い気持を、私たちは大人なのだからもっと立場、心理を理解しなければならないと思います。
植野さんは上手に子供の声、父親の声をはっきり分けて、その上、語りは渋くバリエーションがあって良かったと思います。
手で口をかぶすようにクスクス笑っているのが植野さんです。
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